防具付組手試合規定

「防具付空手道の概念」
  • 防具付空手道とは、防具を使用し、突き・蹴り等の技を実際に相手に当てることを通じ、空手道の研鑽を図るもの。
  「防具付空手道の目指す方向性」
  • 防具付空手道は、伝統武道の継承とスポーツとしての分かりやすい競技化を両輪とした「スポーツ武道」として青少年の健全育成を目指す。
  「本規定の底流にある基本的な考え」
  • 武道精神・礼節の研鑽
  • 格闘技理念である「一撃必殺」と「多撃必倒」の融合
  • 合理的で安全なスポーツ競技

【試合規定】

1.試合場 8m×8mの四角形コートとする。
2.試合時間 一般男子(高校生以上)の部:2分 上記以外:1分半 を原則とし、大会主催者が決定する。 計時方法については「正味」(競技が中断されている間は計時しない)・「流し」(競技が中断されていても、主審(乃至は監査)がタイムをかけた時以外は計時する)がある。いずれを採用するかは大会主催者が決定する。
3.審判構成・副審の位置 主審1名、副審4名、監査1名とする。審判員が不足する場合は、副審を2名とすることもできる。   副審4名の場合、副審は各コーナーに位置する。 副審2名の場合、副審は主審から見て「右奥と左手前の対角線上のコーナー」か「右奥・左奥のコーナー」のいずれかとする。
4.攻撃部位 安全防具面部:面部の顔面部及び耳側面部 安全防具胴部:胸部と腹部及び防具の側面部
5.防具・サポーター 面はスーパーセーフ乃至はKプロテクター系のプラスチック製のものとする。 胴もスーパーセーフ乃至はKプロテクター系とする。 拳・脛サポーター(足甲付)は布製のものとする。 防具・サポーター・ファウルカップ(男子の場合)の着用は必須とする。マウスピースの使用は奨励とする。
6.勝敗 一本勝負制とする。 試合時間内に一本が決まらなかった場合は、ポイントの多い方を勝ちとする。 ポイントも同点の場合は、延長戦或いは判定によって勝敗を決する。
7.一本の定義 以下のいずれかを一本とする。 ①   正しい姿勢と充実した気迫、適正な間合いで強烈な突き、蹴り、打ちが定められた攻撃部位に決まり、相手がダウンするか、或いは技の衝撃によりバランスを崩す乃至はふらついたとき。 ②   攻撃側の反則行為に因らずして相手が転倒した際に瞬間的に適正な間合いで仮当て(寸止め)を決めたとき(相手の転倒の事由は問わない)。 ③   3連続技が確実に決まったとき(途中に相手のポイントを挟んだ場合は対象外) ④   技有りが2回決まったとき ⑤   4ポイント差がついたとき
8.ポイントと各技の定義 一本:4ポイント 技有り:2ポイント 有効:1ポイント (技有り1回と有効2回は同列)   技有りとは一本に準じる技。具体的なイメージとしては、相手が防具をつけていなければ倒れていたであろう強度の技。さらには引き手が確り取られているなど、空手固有の技としての完成度も求められる。   有効とは、技有りに準じる技で、相応に威力のある技。   各技は、主審の「やめ」がかかるまでは加点される。すなわち連続技・相打ち(同時打ち)・後打ち(打たれた後の返し技)の全てが有効以上の技であれば加点される。
9.延長戦 同点の場合、1度目は原則として延長戦を行う(判定は行わない)。試合時間は延長戦より短くすることができるが1分以上とし、且つフルタイムとする(先取りは採用しない)。 延長戦で勝敗が決しない場合は、判定を行う(引き分けにはしない)。但し、決勝戦等、審判団が特に認めた場合は再延長戦を行うこともできる。
10.禁止技 ①定められた部位以外への攻撃(ローキック、金的・背面への攻撃等) ②バックハンド(体の回転を伴うもの) ③膝蹴り ④肘打ち ⑤アッパー ⑥掴み・掛け・投げ技(但し、足首下への足底での足払いについてはマットがある場合や一般有段者の部に対して認める場合がある) ⑦頭突き・体当たり ⑧転倒者への直接打撃 ⑨その他、明らかに危険技とみなされるもの
11.禁止行為 ①場外逃避 ②試合時間を空費させる行為 ③罵倒、挑発的言動、相手の人格を無視するような言動・態度
12.反則等 場外以外の禁止技・行為を行った場合は、 1回目:警告 2回目:反則注意(相手に1ポイント) 3回目:反則(相手に2ポイント) 4回目:反則負け 但し、重大な反則の場合は、1回目で反則注意~反則負けもあり得る(その場合は審判団協議の上決定する)。   場外の場合は、 1回目:場外警告 2回目:場外注意(相手に1ポイント) 3回目以降:場外注意(相手に1ポイント)   なお、場外を含めた反則は、本戦後クリアーされる(延長戦においては本戦中の場外・反則は勘案されない)。
13.異議の申し立て 試合者は審判員の判定に対し、直接異議を申し立てることはできない。 審判員の判定が試合規定・審判規定に反していると認められる場合は、試合者の所属団体責任者が監査に対して異議を申し立てることができる。

 平成27年3月8日改訂